大阪 ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント 郡山浩二 K2planning

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□被用者共済年金一元化

最近における国家公務員共済年金制度の改正

 平成24年中に公布された次に掲げる3つの法律により、それぞれ次に掲げる国家公務員共済年金制度に関する法律改正が行われています。

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号)による主な改正内容

  • 納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えるという観点から、受給資格期間を25年から10年に短縮を行う(税制抜本改革の施行時期にあわせて平成27年10月1日から施行)。
  • 次世代育成支援のため、産休期間中の保険料免除を行う(平成26年4月1日から施行)。

被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)による主な改正内容

  • 厚生年金に公務員および私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する。
  • 共済年金と厚生年金の制度的な差異については、基本的に厚生年金にそろえて解消する。
  • 共済年金の1・2階部分の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3%)に統一する。
  • 厚生年金事業の実施にあたっては、効率的な事務処理を行う観点から、共済組合および私学事業団を活用する。また、制度全体の給付と負担の状況を国の会計にとりまとめて計上する。
  • 共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止する。公的年金としての3階部分(職域部分)廃止後の新たな年金については、別に法律で定める。
  • 追加費用削減のため、恩給期間に係る給付について本人負担の差に着目して27%引き下げる。ただし、一定の配慮措置を講じる。
  • ※1~5の施行日:平成27年10月1日、6の施行:平成25年8月1日

国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律(平成24年法律第96号)による主な改正内容

  • 退職等年金給付を新たに設けることとし、その種類は、退職年金、公務障害年金および公務遺族年金とする。
  • 退職年金は、終身退職年金および有期退職年金とし、有期退職年金の支給期間は20年または10年とする。
  • 退職年金は、1年以上の引き続く組合員期間を有する65歳以上の退職者に支給するほか、60歳以上の退職者は支給の繰上げを請求できることとする。
  • 退職年金の額は、標準報酬の月額および標準期末手当等の額に付与率を乗じ、基準利率による利子を加えた給付算定基礎額を年金現価率で除して得た金額とする。
  • 有期退職年金に代えて一時金の支給を受けることができることとする。
  • 1年以上の引き続く組合員期間を有する者が死亡した場合、遺族に対して有期退職年金の支給を受けていない額の一時金の支給を行うこととする。
  • 公務障害年金および公務遺族年金について、その受給権者および給付水準等を定めることとする。
  • 組合員が懲戒処分を受けたときなど一定の場合に給付の制限を行うこととする。
  • ※いずれも平成27年10月1日から施行。

公的年金制度のしくみと被用者年金制度の一元化

なぜ、被用者年金制度の一元化が必要なのか

 現在の公的年金制度は、「基礎年金制度」と「被用者年金制度」の2つに大きく分けることができます。

 

 基礎年金制度(国民年金)は、自営業の方のほか、民間サラリーマン、公務員、私学教職員やこれらの被扶養配偶者も加入する全国民共通の制度となっています。
 したがいまして、被用者年金制度(共済年金や厚生年金)の加入者は、あわせて基礎年金制度(国民年金)にも加入し、同時に2つの年金制度の適用を受けています。

(※)国家公務員共済組合には、組合員の皆さまが加入している20の共済組合がありますが、国家公務員共済組合連合会(連合会)は、共済組合の組合員の皆さまや遺族の方々に対しての年金の決定や支払いなどの共済年金(長期給付)事業を行っています。

 被用者年金制度は、上図で示すとおり、現在4つに分かれて運営されていますが、今後の少子・高齢化の一層の進展等に備え、年金財政の範囲を拡大して制度の安定性を高めるとともに、民間サラリーマンや公務員を通じ、同じ保険料を負担し、同じ年金給付を受けるという年金制度の公平性を確保することにより、公的年金に対する国民の信頼を高めるため、被用者年金制度の一元化を行うこととなりました。

 
  • 厚生年金に公務員および私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する(個人による厚生年金への加入手続は不要です)。
  • 共済年金と厚生年金の給付内容は、基本的に厚生年金にそろえる(詳細はこちら)。
  • 共済年金の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率【上限18.3%】に統一する(注)。
  • 共済年金にある公的年金としての3階部分【職域部分】を廃止し、新たな公務員制度としての年金の給付の制度を設ける。

 

参照:国家公務員共済組合連合会

http://www.kkr.or.jp/seidokaikaku/27ichigenka/