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大阪 ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント 郡山浩二 K2planning

大阪のファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタントK2planning

□ファミリーミッション・ステートメント(FMS)

□ファミリーミッション・ステートメントとは

 一般的にビジネスの世界では、企業と従業員が共有すべき価値観や果たすべき社会的使命など、企業の根本原則を明文化したものをミッション・ステートメント(使命宣言)と定義されています。経営理念や社是などがこれにあたるでしょう。企業は、ミッション・ステートメントを社内外に公表します。従業員ひとりひとりが、ミッション・ステートメントを行動指針として活動することによって、企業の果たすべき社会的使命を実現します。

 企業だけではなく、私たちの家庭においてもミッション・ステートメントが必要ではないかと考えられます。これをファミリーミッション・ステートメント(Family Mission Statement=FMS)と言います。FMSというとなんだか、欧米的で目新しそうだと感じた人もいるでしょう。しかし、日本には、古くから「家訓」というものがあります。毛利元就が3人の子に教え諭した「3本の矢」は、アベノミクスの「3本の矢」が旬な話題だけに、今、最も有名な家訓のひとつではないかと思います。

 家訓とFMSは、少し意味合いが違います。家訓は、家の訓戒という意味で、「保証人にはなるな」に代表されるように、過去の失敗体験など(あるいは成功体験)から、子孫の繁栄を願って、先祖代々、教え伝えるものです。FMSは、家訓よりも、もう少し広い概念で、子孫や家族が繁栄するために、価値観や目標を含めて定め、行動指針を明示するものです。家訓は、「保証人にはなるな」のように行動指針は書かれていますが、価値観や目標の部分は、言わずもがなの世界になっています。それでは、明確に子孫には伝わりません。

 では、FMSには、どんな内容を記述すればよいのでしょうか。以下、FMSの切り口を紹介します。最初に家族の社会的使命・目標を掲げ、それを実現するための家族と社会の関わり方を考えます。それから家族の土台となる家族間の関わり方について考えます。そして、家族を構成する個々人の成長のための行動指針を考えます。最後に、経済や資産との関わり方について記します。

●家族の社会的使命・目標
 例)世のため、人のために尽くし、社会に貢献する。
●家族と社会とのかかわり方
 例)困った人を見たら進んで手を差し伸べなさい。
●家族間の関わり方(夫婦間、親子間、兄弟間、親族間など)
 例)兄弟仲良く、親を助ける。
 例)夫婦で、どんな時でも、互いを敬い、真心を忘れない。
●個人の成長に関すること(教育方針、個人の行動指針など)
 例)子どもの可能性を最大限引き出せるような教育を行う。
 例)一度限りの人生を自分らしく生きるために、最大限の努力を行う。
●経済・資産(お金)との関わり方
 例)保証人にはなるな。
 例)損して得を取る。
 例)お金は、自分も人も助けることができるもの。

 これは、あくまでも参考例で、自分なりの思いが伝わる内容であればどんな形式でも構いません。思いがしっかり明文化されて、明確な行動指針となることが何よりも重要です。

 FMSがあると、いろいろな場面で、的確な決断することができるようになります。例えば子どもの進路について、親子間で意見が対立した時を考えてみましょう。上記のFMSを例とすると、「子どもの可能性を最大限引き出せるような教育を行う」という教育方針を考慮しつつ、子どもが望む進路が、「世のため人のために役に立ち、社会に貢献する」ということを前提に考えられているのであれば、子どもの意見に従う、というような判断を、感情的にならずに行うことができます。

 

日経BPより

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130711/357761/